クリエーション再遊記寺尾 佳子 展|WATERMARK|天プラ・セレクションVol.97昨夏からネコを飼い始めたのは、 仲良くなった近所の飼いネコが突然還くに行ってしまったから。 小さな白いふわふわとはずっと一緒にいられると思っていました。 命ってあっけない。 出会ったのは二年前の春のはじめで、 私はちょうど長患いの末に亡くした命を悲しんでいる時でした。...
クリエーション再遊記直原 清美 展|時を織り、その向こうに見えるもの|天プラ・セレクションVol.96女性が家庭の中で社会の中で居場所を求めて、しぶとくも しなやかに生き抜いてゆく姿を膨大な時間の流れの中からすくい上げました。 画面を貫くモチーフの紐は女性の手から生まれた生の証です。 親から子へ、子から孫へと折り重ねられてゆく「思いの時間」を表現しています。...
クリエーション再遊記松村 晃泰 展|視線の行方|天プラ・セレクションVol.95天気が悪くなってくると祖母は 「景色悪なってきたな〜」と言っていた。 いつの間にかその言葉が染み込んだ。 仕事をして家事をして。 時々…石を彫りガラスを磨く。 日々の積み重ねが染み込み糧となる。 思い描いた毎日とは少し違うが、 思いがけない景色に出会う楽しさがある。...
クリエーション再遊記山口 深里 展|浮島|天プラ・セレクションVol.94「意識」「肉体」私とは何か。 不毛とも思えるそんな疑問が消えずに制作のテーマとなっています。 肉体の活動の結果に意識があるはずなのに、 なぜ私は意識ばかりを自分だと思い込んでしまうのか… 肉体を紛れもなく自分自身だと認識できた時、...
クリエーション再遊記大橋 裕子 展|まだ見ぬものたち|天プラ・セレクションVol.93 「見えないけれど確かに存在するもの」 ずっと「しわ」を見つめてきた。あたりを見まわすとひとつとして同じかたちがないことに気づく。 一番身近な皮膚、紙、布、植物などはもちろんのこと、俯瞰的な目で眺めると、小川、みち、うっそうとした森、山ひだなども、地球が生みだす「しわ」と言え...
クリエーション再遊記諸川 もろみ 展|ポーコ・ポコ・コーラとポテトイッチプ|天プラ・セレクションVol.92一年ぶりに岡山の匂いを嗅いだ。いつも通りだった。 久しぶりに実家の猫に会った。一年ぶりでも私のことを覚えていた。 前よりも少し太っていた。 幼少期の私が言い間違えたポーコ・ポコ・コーラとポテトイッチプは、 あの頃には絶対にポーコ・ポコ・コーラとポテトイッチプだった。...
クリエーション再遊記原田 よもぎ 展|青い国の話|天プラ・セレクションVol.91「字のない物語を描く」 わたしの絵を描く上での大きなテーマです。 人が物語を想像したとき、その中には香り・音・時間・温度・ 風・季節・空気などすべてが含まれています。 私にとって一枚の絵は、何ページにもなる言葉よりも 多くを語り、無限の想像をさせてくれるものです。...
クリエーション再遊記岡本 汐加 展|―Process: play with the site―|天プラ・セレクションVol.90 日本近代建築史を代表する前川國男によるモダニスズム建築の傑作である天神山文化プラザ。 ―Process: play with the site―での制作は、ここからスタートしています。 全国に点在する前川建築を訪問調査し、色彩や光などの既存建築空間の要素からインスピレーショ...
クリエーション再遊記二乃本 曙暢 展|Vibration ―鼓動―|天プラ・セレクションVol.89誕生と死 その狭間にある生きるということ 個としての生命 継承・連続としての生命 それらをはぐくむ宇宙の法則 常に変化し続けながら 否応なしに未来を切り開き続ける世界 その連綿の中に感じる美しい瞬間を 私もまた 命の続く限り 変化を繰り返しながら 形にしながら...
クリエーション再遊記加藤 萌 漆芸展|黒に潜む|天プラ・セレクションVol.88 すべての題名は、作りはじめる前に決まっていました。 “黒に潜む”と、そこに登場する生き物たちに、何の役割を与えるのかも。 岡山県に移り住んでから、4年半が過ぎました。 外灯の少ない山に囲まれた生活の中では、生き物の足音や息遣いがとても強く感じられます。野生の動物と対峙した時...
クリエーション再遊記久山 淑夫 展|事実が有って存在させない真実・被爆汚染列島|天プラ・セレクションVol.87大戦末期から今日迄の社会問題をテーマとした 平面・立体作品の同時陳列は、私にとって初めての試みでした。 結果、双方が共鳴・連動するという貴重な空間を体感しました。 初期作品からの作品テーマに時代のギャップを感じることはなく、...
クリエーション再遊記福井 一尊 展|在るものと 見えるものと|天プラ・セレクションVol.86我々は光を目で捉え、脳で色として認識し、その色の違いによって形を感じている。その当たり前の不思議さに、今回私は「在るものと見えるものと」と題した三つの空間作品でアプローチした。 1つ目は、色彩の不思議である。大きくシンプルな形が確かに存在しているのだが、蛍光色に光を存分に与...
クリエーション再遊記山下 真未 展|動・遊・楽アニメ? 〜Do You Like Anime?〜|天プラ・セレクションVol.85いつもはCMやTV番組でのアニメーションの制作を主な活動としていますが、この度、初の個展ということで自分の創作に取り組むことができました。 それぞれの作品に自分なりの達成目標などを設定していましたが、全てのコンテンツに共通して課していたものは“来てくださった方が自分ルールを...
クリエーション再遊記長原 啓 展|luxury2.0|天プラ・セレクションVol.84今展は地元岡山では初めての個展であり、足掛け3年温めていたプロジェクトの発表の機会となりました。 幾度も会場に足を運び、空間の雰囲気をつかみながら来場者の導線や作品の配置を計画し、会場構成と作品制作を連動して進めてゆきました。...
クリエーション再遊記秋山 基夫 展|詩からの自由/詩への自由|天プラ・セレクションVol.83詩は現在印刷物として流通し、詩のパブリックな性格を拡大していますが、古くは手書き文字で生産され消費され、これは詩のプライベイトな在り方に即していたとも考えられます。印刷物であろうと手書き文書であろうと一篇の詩は一篇の詩に変わりない、という考えは印刷物として詩が流通する時代に...