久山 淑夫 展|事実が有って存在させない真実・被爆汚染列島|天プラ・セレクションVol.87

更新日:7月8日




大戦末期から今日迄の社会問題をテーマとした

平面・立体作品の同時陳列は、私にとって初めての試みでした。

結果、双方が共鳴・連動するという貴重な空間を体感しました。

初期作品からの作品テーマに時代のギャップを感じることはなく、

逆に現在、“戦争”“核”“原発”“テロ”“暗殺”“天災”“人災”による

環境破壊は驚くほどの悪化の一途を辿っているのだと痛切に感じました。

平面と立体の共鳴したステージで、皆様と同じ時空を共有できたことを

ありがたく感謝申し上げます。今後に繋がる貴重な展示となりました。

願わくば「文明退化」「公表の反対が真実」とならないことを。


久山 淑夫



Exhibition Review まぎれもない時代の表現者

 久山氏の制作は、具象彫刻の可能性を見事に押し広げたひとつの例である。具象彫刻は自然の形を造ることによって、見る人に素直に作者の思いを伝えられると私は考えている。しかも、誇張や省略といった作者のその時々の内なる表現への思いによって、より一層形態の自由な創造が可能である。


 氏は素材と格闘しながら思索を深め、量塊性による具象彫刻の本質を厳然と保ちながら、優れたデッサン力によって自然木の形をそのまま生かすことに工夫を重ねている。その上に独得の造形手法を駆使して、希に見る愛嬌を基にした詩情を実現している。


 同時に展示されている絵画作品は、実に見応えのある世界である。通俗的な意味でのきれい造りではない、描写を超えた筆記用具の使用方法によって、独自の四次元的表現を達成して、実に個性的かつ批判的な表現を成しとげている。これは、深い思索なしには成し得ない、或る種の次元の高い幻想世界の実現である。


 共に展示された猫のデッサンは、どれをとっても抜群のセンスと愛らしさで心に残るものばかりである。本人の人間性の豊かさや優しさといった本性が自然に現われたものであろうと思う。


 独創性に溢れた木彫作品と、愛嬌のある猫のデッサンの世界は、多くの岡山県民に見知っていただきたい世界である。


天プラ・セレクション推薦委員/日本芸術院会員 蛭田 二郎


岡山県天神山文化プラザ企画展 天プラ・セレクション Vol.87 久山淑夫展 事実が有って存在させない真実・被爆汚染列島

[会期]2018年10月2日〜7日 [入場無料]

[時間]9時〜18時(最終日は16時まで)

[会場]岡山県天神山文化プラザ・第3・4展示室


久山 淑夫 Yoshio Kuyama

1938 大阪に生まれ岡山で育つ

1958 岡山県立工業高等学校美術工芸課デザイン科卒業

1973 (株)久山建創(建築、店舗、設計、施工)創業授


主な活動

1980年代 東光展に出品

1994 個展「FIGP」(ギャラリー25 /岡山)

1996 個展「吾輩はニャー」(表町ギャラリー /岡山)

2005 岡山九条美術展(岡山県天神山文化プラザ)[以後毎年]

2006 個展「共に生きた」(倉敷市立美術館/岡山)

2008 「久山淑夫&西平孝史の生きもの天国」(岡山県天神山文化プラザ)

2010 個展「吾輩はニャー」(勝山文化往来館ひしお /岡山)

2016 猫屋敷展(おおやアート村 BIG LABO /兵庫)

2017 岡山現代彫刻の断片(奈義町現代美術館/岡山)[’18]

2017 特別企画展「天神山迷図」(岡山県天神山文化プラザ)

2017 イートンちどり保育園 内壁イラスト制作(岡山)

2018 ART IN SHOO2018街道祭「久山淑夫作品展」(勝央美術文学館/岡山)

2018 天プラ・セレクションvol.87 久山淑夫 展「事実が有って存在させない真実・被爆汚染列島」(岡山県天神山文化プラザ)


主な賞歴

東光展 東光賞

第25回 国民文化祭・おかやま2010美術展 文部科学大臣賞

岡山県美術展覧会 岡山県知事賞 [第63・64・65回]・山陽新聞社大賞 [第66回]



出品一覧

タイトル|素材/技法|サイズ(cm)|制作年 事実が有って存在させない真実・被爆汚染列島|木材、油彩/インスタレーション|サイズ可変・21点|2002-2018

草原の風|楠、ダンボール|230×150×95|2018

被曝癌列島|シナベニヤ、紙、アクリル|240×360|2012

黙示録|シナベニヤ、鉛筆、アクリル、インク|240×360|2011

8689の虐殺|シナベニヤ、鉛筆|180×270|2010

8.6史上最大の虐殺|シナベニヤ、鉛筆、新聞|270×270|2005

南方二丁目のシャンソン|シナベニヤ、インク|240×240|2005

告知|シナベニヤ、鉛筆|90×90|2005

双方が正しい言い分|シナベニヤ、紙、鉛筆|180×270|2005

8/9イカリヲコメテ'60|シナベニヤ、鉛筆、オイルパステル、アクリル|270 × 270|2005

イラク開戦からIS|シナベニヤ、鉛筆|240×240|2004頃

えひめ丸|シナベニヤ、鉛筆|240×240|2001

ふうが行く|シナベニヤ、鉛筆|90×90|2000頃

アインシュタインが残したこと|シナベニヤ、鉛筆|180×270|1999

誤爆という虐殺|シナベニヤ、鉛筆|240×240|1999

対面式|シナベニヤ、鉛筆|240×240|1998

小春日和|シナベニヤ、鉛筆|90×90|1998

89長崎の鐘|シナベニヤ、鉛筆、オイルパステル|240×240|1990

86戦勝国犯罪|シナベニヤ、鉛筆|240×240|1989

我輩はニャー|紙、鉛筆|26×23.5・12点|1996-2010

FI|紙、鉛筆、インク|54×73・10点|1994-1995


 

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本記事は、平成30年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクションVol.87 久山淑夫展 記録集より抜粋しています。掲載内容は発行時点のものです。


発行:岡山県天神山文化プラザ

発行日:平成30年12月20日

印刷:株式会社 三浦印刷所

編集:福田淳子[岡山県天神山文化プラザ]

デザイン:鳥越眞生也[鳥越屋]

撮影:加賀雅俊[べあもん]

照明:池田正則[岡山県天神山文化プラザ]

 

<記録集をご希望の方は、天神山文化プラザ文化情報センターにてご購入いただけます>


平成30年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集

岡山県天神山プラザ企画展「天プラ・セレクション」として2018年4月24日〜2019年2月3日の期間に開催された6人の各展覧会の個別の小冊子を合本し、1年間の記録集として発行したものです。


<目次>

  • 秋山 基夫 展|詩からの自由/詩への自由|天プラ・セレクションVol.83

  • 長原 啓 展|luxury2.0|天プラ・セレクションVol.84

  • 山下 真未 展|動・遊・楽アニメ? 〜Do You Like Anime?〜|天プラ・セレクションVol.85

  • 福井 一尊 展|在るものと 見えるものと|天プラ・セレクションVol.86

  • 久山 淑夫 展|事実が有って存在させない真実・被爆汚染列島|天プラ・セレクションVol.87

  • 加藤 萌 漆芸展|黒に潜む|天プラ・セレクションVol.88


カラー56ページ

税込1,000円


※各展覧会の個別の小冊子も発行しています(カラー8ページ/税込200円)


お問い合せ

〒700-0814 岡山市北区天神町8-54岡山県天神山文化プラザ

TEL 086-226-5005

FAX 086-226-5008

メール tenplaza@o-bunren.jp

受付時間 9:00~18:00

休館日 月曜日、年末年始(12月28日~1月4日)

 

「天プラ・セレクション」シリーズは、岡山県ゆかりの作家を選抜し個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。 開催作家の選考は、推薦と公募の2部門から行います。