眞嶋 青 展|museum|天プラ・セレクションVol.72

更新日:7月8日




私は自分の作品を語るうえで、「表現」という言葉を使うことに違和感を覚える。


元々自分を表現することが苦手な私にとって、作品の中に自分の思想や感情を込めるのはとても難しいことである。

私が目指すのは、自分の痕跡ができるだけ存在しない作品である。

それは、いつの間にかそこに現れ、何の目的もなくその空間を占拠するもの。

ありふれた形態でありながら、別の次元から飛び込んできたような、そんなオブジェクトである。


今回は、それらの作品が集まったとき、どんな空間が生まれるかを考え、展示のタイトルを「museum」(≒博物館)とした。

人の意識が消え去り、モノの存在だけが残ったような空間。

過去の遺物を見ながら未来を眺めているような、そんな空間に思いを馳せてこのタイトルをつけた。


会期中にはたくさんの方々と、作品を前にして話をすることができた。私にとってはとても貴重な経験だった。

しかしできることなら、私の存在が消えて無くなるくらいの存在感を作品に持たせてあげたいと思う。


眞嶋 青



Exhibition Review

眞嶋君の作品に出会ったのは、彼が岡山県立大学に在学中の時であった。その頃から彼の作品は工芸的な陶磁器ではなく、繊細でオブジェ的であった事を覚えている。


今回の展示での作品群は、本人の言葉によれば『これまで様々なモチーフを作品にしてきたが、今回は各モチーフに(積極的に)意味をもたせることはしなかった。自分が作品(とそのモチーフ)に意味を与えるよりも、意味がないように見えるモノとモノを、観る側が自由に捉え、関連づけることができる展示にしようと考えた。「museum」というタイトル(美術館というより博物館)もそこから付けた。博物館の収蔵品のように、作者の意図や感情が風化し、ただモノの存在だけが残ったような感覚を作品にしようと思った。』とのことである。


作者が言うように一見シンプルで無機質な作品が無関係に並んでいるように思えるかもしれないが、私にはそれぞれの作品を強力に結びつける共通の繊細なElementsが見て取れた。それは「静止」、「風化」、「崩壊」、「美」、「再生」ではないであろうか。本人が影響を受けた作家として、中川幸夫、荒木高子の名前が出てくるのも非常に良くわかるような気がする。


眞嶋君の今後の新しい作品展開が大いに楽しみである。


天プラ・セレクション推薦委員/テキスタイル作家 草間 喆雄


岡山県天神山文化プラザ企画展 天プラ・セレクション Vol.72 眞嶋 青 展 museum

[会期]2016年4月12日〜17日 [入場無料]

[時間]10時〜18時(最終日は16時まで)

[会場]岡山県天神山文化プラザ・第3展示室


眞嶋 青 Sei Majima

1987 大分県生まれ

2013 岡山県立大学大学院 デザイン学研究科 修了


現在 岡山市在住


個展

2012 眞嶋青展 fossils (art+cafe cifa/岡山市)

2016 天プラ・セレクションVol.72「眞嶋青展 museum」(岡山県天神山文化プラザ)


グループ展

2010 sense of local 展 (slogadh463 /岡山市)

2011 岡山県立大学デザイン学部卒業制作展 (岡山県天神山文化プラザ)

2011 ギャラリーオープンを祝う展(Renaiss Hall Gallery/岡山市)

2011 はっしん展(サテライトギャラリーegg/岡山市)

2013 第6回 岡山県新進美術家育成 I氏賞選考作品展 (岡山県天神山文化プラザ)

2013 岡山県立大学デザイン学研究科修了制作展(岡山県天神山文化プラザ)

2014 セラミックデザイン原画とデッサン展(瀬戸内市立美術館/岡山)

2014 アートの今・岡山2014「時のカタチ」(天神山文化プラザ、高梁市歴史美術館、奈義町現代美術館/岡山)

2015 不思議な空間(アンクル岩根のギャラリー /岡山市)


眞嶋 青 WEBサイト

https://sei-majima.tumblr.com/


出品一覧

タイトル|素材/技法|サイズ(cm)|制作年 紙ひこうき|陶器・インスタレーション|サイズ可変|2015・2016

記憶の層_鹿の骨|陶器、磁器|11×27×14|2013

記憶の層_ノート|陶器、磁器|22×27×5|2013

記憶の層_ノート|陶器、磁器|22×27×5|2015

記憶の層_青いノート|陶器|22×27×5|2015

記憶の層_青いノート|陶器|31×23×5|2015

記憶の層_黒いノート|陶器|31×23×5|2016

折り鶴 白|陶器、磁器|6×9×8|2015

折り鶴 青|陶器、磁器|8×12×8|2015

マグカップ黄色|陶器|8×12×7|2015

マグカップ黄色 |陶器|8×10×8|2015

マグカップ青|陶器|7×9×9|2015

長靴|陶器|16×5×19|2016

ポリタンク|陶器|32×30×18|2016


 

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本記事は、平成28年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクションVol.72 眞嶋青展 記録集より抜粋しています。掲載内容は発行時点のものです。


発行:岡山県天神山文化プラザ

発行日:平成28年7月31日

印刷:株式会社 三浦印刷所

編集:福田淳子[岡山県天神山文化プラザ]

デザイン:鳥越眞生也[鳥越屋]

撮影:加賀雅俊[べあもん]

照明:池田正則[岡山県天神山文化プラザ]

 

<記録集をご希望の方は、天神山文化プラザ文化情報センターにてご購入いただけます>


平成28年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集

岡山県天神山プラザ企画展「天プラ・セレクション」として2016年4月12日〜2017年4月2日の期間に開催された5人の各展覧会の個別の小冊子を合本し、1年間の記録集として発行したものです。


<目次>

  • 眞嶋 青 展|museum|天プラ・セレクションVol.72

  • 藤井 龍 展|For( Your/His/Her/My)Eyes Only|天プラ・セレクションVol.73

  • 妹尾 佑介 展|VIVID!|天プラ・セレクションVol.74

  • 有松啓介ガラス作品展|ガラスでしりとり遊び|天プラ・セレクションVol.75

  • 安中 仁美 展|ささやかな備忘録|天プラ・セレクションVol.76


カラー44ページ

税込1,000円


※各展覧会の個別の小冊子も発行しています(カラー8ページ/税込200円)


お問い合せ

〒700-0814 岡山市北区天神町8-54岡山県天神山文化プラザ

TEL 086-226-5005

FAX 086-226-5008

メール tenplaza@o-bunren.jp

受付時間 9:00~18:00

休館日 月曜日、年末年始(12月28日~1月4日)

 

「天プラ・セレクション」シリーズは、岡山県ゆかりの作家を選抜し個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。 開催作家の選考は、推薦と公募の2部門から行います。