光井 威善 展|天プラ・セレクションVol.45



ガラスに穴をあけてみると、なんだか不思議なものになった。

それから穴をあけ続け、気が付けば2年たっていた。

その間、作品はまた新たな作品を生みだし、日々変わっていった。

私はその変化を楽しみながら制作していった。


展示会場で「今までガラスの作品でこんなものは見たことない。」と驚く人がたくさんいた。

私も、私の作品に驚き、喜びを感じた1人である。

これからも私の予想を超えるような作品を作っていきたいと思う。


光井威善



「四角い部屋の丸い造形」

光井君は現役の大学院生であり24歳の若者である。彼にとっての初個展が天プラセレクションであった事は、結果的に彼の成長にとってかけがえの無い経験となったものの、天プラセレクションを受ける事を決めてからの15ヶ月間は、この個展の事が彼の頭を離れる事は片時もなかったろうと想像する。大変なプレッシャーの中で過ごした事になる。

吹きガラス作品は、単体での作品の大きさに限度があり、それは美術館の高い天井の空間の中で大きいと思えるものではなく、むしろ小さいものである。その事が彼を悩ます一番の問題であった。小さなガラスを数百数千の単位で使い一つの造形にするか、作品と対応する平面(パネル)の絵を壁面に設置して空間を作り出すか、いくつかのアイデアが出され思考が繰り返される中で、彼が院1年から作り続けてきた「ミラクルボコボコシャイニングボトル」に使われるサンドブラストで穴をあける技法がクローズアップされて来た。ボトルという用途をはぎ取り、色の要素を取り払い、一定の厚みを持たせた単純なかたちに集約されて、彼自身が作る事のできる最大の大きさに挑戦したのは、年の瀬が迫る頃だったと思う。展示方法決定のため実際に会場に試作品を持ち込み、展示台の高さ大きさライティングの方法などの最終的なアイデアの確認を終えてからの制作作業は、数百時間の単純穴あけ作業である。

吹きガラス作品は、鉄パイプに粘性の強い熱く溶けたガラスを巻き取り、息を吹き込み膨らまして作る造形である。丸いかたちが基本形である。「mantle」は基本形を崩さず、持てる力の限りを尽くしたことで、力強さと存在感を生み出す事ができたのである。あらためてガラスの持つ魅力が引き出された事を喜んでいる。


天プラ・セレクション推薦委員/ガラス工芸家 磯谷晴弘


岡山県天神山文化プラザ企画展 天プラ・セレクション Vol.45 光井威善展

[会期]2012年2月28日(火)〜3月4日(日)

[会場]岡山県天神山文化プラザ 第4展示室


光井 威善

1987 広島福山市に生まれる

2010 倉敷芸術科学大学芸術学部工芸・デザイン学科卒業

2010 倉敷芸術科学大学大学院芸術研究科工芸専攻入学


個展

2012 天プラ・セレクションvol.45 光井威善展(岡山県天神山文化プラザ/岡山)


グループ展

2009 新・倉敷ガラス展(倉敷アイビースクエア/倉敷)

2009 真夏のガラス展2009(淳風会/岡山)

2010 真夏のガラス展2010(淳風会/岡山)

2010 倉敷とあかりとガラスの作家たち(阿智神社/倉敷)

2011 和菓子 de ART展(福山城/福山)

2011 倉敷とあかりとガラスの作家たち(阿智神社/倉敷)


賞歴

2009 現代ガラス展 in 山陽小野田 市長賞受賞


出品一覧

タイトル|素材/技法/形状|サイズ(cm/縦×横×奥行き)|制作年

mantle|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|38.0×38.0×38.0|2011

mantle|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|28.0×54.0×27.0|2012

mantle|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|30.0×39.0×30.0|2012

mantle|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|35.0×54.0×35.0|2012

mantle|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|39.5×38.0×38.0|2012

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|23.0×13.0×13.0|2010

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|36.5×12.0×10.0|2010

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|31.0×13.0×13.0|2010

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|34.0×14.0×14.0|2010

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|46.0×12.5×11.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|43.5×11.0×65.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|35.5×95.0×55.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|49.5×65.0×65.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|46.5×70.0×70.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|45.5×12.0×90.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|31.5×20.0×20.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|54.0×15.5×75.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|59.0×17.0×80.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|28.0×21.0×21.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|57.0×10.0×10.0|2011

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|24.0×14.0×14.0|2012

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|23.5×14.5×14.5|2012

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|15.5×11.0×11.0|2012

ミラクルボコボコシャイニングボトル|ガラス、宙吹き、サンドブラスト|15.5×11.0×11.0|2012


 

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本記事は、平成23年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集より抜粋しています。掲載内容は発行時点のものです。


編集・発行:岡山県天神山文化プラザ

発行日:平成24年3月31日

撮影・デザイン:池田理寛

印刷:株式会社 三浦印刷所

 

<記録集をご希望の方は、天神山文化プラザ文化情報センターにてご購入いただけます>


平成23年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集

岡山県天神山プラザ企画展「天プラ・セレクション」として2011年6月7日〜2012年3月4日の期間に開催された9人の個展の記録集として発行したものです。


<目次>

  • 役重 佳廣 展|天プラ・セレクションVol.37

  • 島村 敏明 展|Kontrapunkt ~対位法~|天プラ・セレクションVol.38

  • 佐藤 安 映像展|middle way|天プラ・セレクションVol.39

  • 石井 司 展|天プラ・セレクションVol.40

  • 高本 敦基 展|Note:日常性の現場から|天プラ・セレクションVol.41

  • 澤田 虚舟 遺墨展|天プラ・セレクションVol.42

  • 小林 泰子 展|時のない森 |天プラ・セレクションVol.43

  • 関野 倫宏 展|干支もの ETO-MONO 〜初春のお喜びを申し上げます。〜|天プラ・セレクションVol.44

  • 光井 威善 展|天プラ・セレクションVol.45


カラー33ページ

税込1,000円


お問い合せ

〒700-0814 岡山市北区天神町8-54岡山県天神山文化プラザ

TEL 086-226-5005

FAX 086-226-5008

メール tenplaza@o-bunren.jp

受付時間 9:00~18:00

休館日 月曜日、年末年始(12月28日~1月4日)

 

「天プラ・セレクション」シリーズは、岡山県ゆかりの作家を選抜し個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。 開催作家の選考は、推薦と公募の2部門から行います。