余白が嫌いです。
マジックの黒一色で常に余白を埋め尽くす事と無限に広がる密度で柄を自由に連続、反復し、増殖させ、その中に全世界のありとあらゆる生物、空の生き物、陸の生き物、海の生き物、または、空想上の生き物などをおりまぜながら描いていきます。
今回が初めての個展だったのですが、色々と勉強になる事がありました。
これからも埋め尽くしていきたいと思います。
石井司
1990年、私はアメリカ・インディアンやアイヌの人たちと少数民族を3ヶ月かけて訪ねる旅をした。その中で気がついたことのひとつに、意匠の共通性がある。北欧のサーメにアイヌ民族、ネイティブ・アメリカンやアボリジニ。彼らの描くプリミティブな絵画(模様)は極めて似ていて、そこには自然に対する崇拝や深い祈りがこめられている。
石井司展では、ご高齢者の方々に「なんだか落ち着く」と言って大変好評だったとか。
それはきっと、彼の絵の中に「祈り」が含まれているからだと思う。石井司は気がついていない。だから良いのだが、「込める」という作為が感じられない。ペンが決めていくに任せているようにもみえる。大きな寄せ絵には整合性がない。そこがまたとてもいいし、誰かに評価されるために描く以前の根源的な表現への衝動を感じる。「純」なのだ。その有り様を美しいと思う。
言葉は悪いが、彼はあまり深く考えていないのだろう。それが凄い。考えても始まらない、しっかり感じてさえいればいいのだ。そのうちに自分の感じていることが、社会・世界・宇宙そのものと深く関係している事に気がつくだろう。
脆いほどに感受性が高い本人の姿には、思わず手を差し伸べてしまうが、魑魅魍魎の跋扈する美術の世界で、彼がさてどのように生き延びるのか、じっくり拝見しよう。
そして最後に一言。 考えるな!ひたすら描け!!
天プラ・セレクション推薦委員/彫刻家 よしもと正人
岡山県天神山文化プラザ企画展 天プラ・セレクション Vol.40 石井司展
[会期]2011年8月10日(水)〜8月14日(日)
[会場]岡山県天神山文化プラザ 第4展示室
石井 司
1987 岡山県倉敷市生まれ
2010 中国デザイン専門学校卒業
個展
2011 天プラ・セレクション vol.40 [石井司展」(岡山県天神山文化プラザ/岡山)
グループ展
2007 「M.O.A 展」(アルタミラ/岡山)
2009 「M.O.A 展」(PHAT SHOP /岡山)
2010 岡山中井CREW×NANA カフェ(NANAカフェ/岡山)
出品一覧
タイトル|素材/技法/形状|サイズ(cm/縦×横×奥行き)|制作年
(無題) |ケント紙、マッキー(マジック)|36×26 100点|2011
(無題) |ケント紙、マッキー(マジック)|145×103 (3点)|2011
(無題) |ケント紙、マッキー(マジック)|180×350|2008
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本記事は、平成23年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集より抜粋しています。掲載内容は発行時点のものです。
編集・発行:岡山県天神山文化プラザ
発行日:平成24年3月31日
撮影・デザイン:池田理寛
印刷:株式会社 三浦印刷所
<記録集をご希望の方は、天神山文化プラザ文化情報センターにてご購入いただけます>
平成23年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集
岡山県天神山プラザ企画展「天プラ・セレクション」として2011年6月7日〜2012年3月4日の期間に開催された9人の個展の記録集として発行したものです。
<目次>
役重 佳廣 展|天プラ・セレクションVol.37
島村 敏明 展|Kontrapunkt ~対位法~|天プラ・セレクションVol.38
佐藤 安 映像展|middle way|天プラ・セレクションVol.39
石井 司 展|天プラ・セレクションVol.40
高本 敦基 展|Note:日常性の現場から|天プラ・セレクションVol.41
澤田 虚舟 遺墨展|天プラ・セレクションVol.42
小林 泰子 展|時のない森 |天プラ・セレクションVol.43
関野 倫宏 展|干支もの ETO-MONO 〜初春のお喜びを申し上げます。〜|天プラ・セレクションVol.44
光井 威善 展|天プラ・セレクションVol.45
カラー33ページ
税込1,000円
お問い合せ
〒700-0814 岡山市北区天神町8-54岡山県天神山文化プラザ
TEL 086-226-5005
FAX 086-226-5008
メール tenplaza@o-bunren.jp
受付時間 9:00~18:00
休館日 月曜日、年末年始(12月28日~1月4日)
「天プラ・セレクション」シリーズは、岡山県ゆかりの作家を選抜し個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。 開催作家の選考は、推薦と公募の2部門から行います。
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